点字図書館とは
ここから点字図書館概要のご案内です。
点字図書館 概要
神戸市立点字図書館は、身体障害者福祉法(昭和25(1950)年施行)に基づき、昭和32(1957)年12月に神戸市によって開設いたしました。翌年3月に厚生省の認可を受けています。
開設当初は点字図書 約500冊で始まった当館ですが、今ではボランティアの皆さんの活躍により、点字図書・録音図書・テキストデイジー図書あわせて、年間200タイトルもの図書を製作しております。
点字図書館は目の見えない・見えにくい方などへ情報を提供し、自立と社会参加の推進を目的とする「視覚障害者情報提供施設」です。
当館では、図書の貸し出しの他にも、読み書きサービスや福祉機器等の相談・講習など、広く情報の提供を行っています。
全国には多くの視覚障害者情報提供施設があり、製作された図書は、「サピエ」というネットワークを通じて、全国の目の見えない・見えにくい方などへ提供されています。
当館は、平成6(1994)年4月より社会福祉法人 神戸市社会福祉協議会に運営が委託され、平成18(2006)年4月より指定管理者として運営しています。
ここから「目の見えない・見えにくい人の読書とは」のご案内です。
目の見えない・見えにくい人の読書とは
目の見えない人や見えにくい人などは、点字を指で触ったり(触読)、録音されたものなどを聞いて、読書をしています。見えない・見えにくい人などが読むことができる図書は、いくつかの種類があります。
当館では、点字図書・録音図書(デイジー図書)・テキストデイジー図書を製作しています。
点字図書
- 墨字(活字)を点字に訳した図書です。
- 点字は6つの点でできており、決められた規則に従って、文章を点訳しています。
- 1つのタイトルの墨字(活字)本は、点訳するとページ数が数倍に増えることがあり、多くの場合何冊かに分けて製本します。(本の分量によって変わります。)
- 点訳図書には、文中の図やグラフなどを点で表している図書もあります。
録音図書
- 墨字(活字)の文章を声に出して読み(音訳)、それを録音した図書です。
- デイジー図書、カセットテープ図書があります。
- デイジー図書について
- デイジー(DAISY)とは、「Digital Accessible Information SYstem」(アクセシブルな情報システム)の略です。
- 長時間の録音図書を1枚のCDに収めることができます。
- ページや見出しを選択して聞くことができます。
- 専用の機器(プレクストークなどのデイジー図書再生機)やパソコンの専用ソフト(LP PlayerやAMISなど)で聞くことができます。
- カセットテープ図書について
- カセットテープは1本の録音時間が決まっています。1つのタイトルの墨字(活字)本で、複数本のカセットテープになることがあります。
テキストデイジー図書
- テキスト(文字)と画像からなる電子書籍です。
- パソコンの専用ソフト(「LP Player」や「AMIS」など)で再生することができ、文字や画像を見ながら、合成音声による読み上げを聞くことができます。
- テキストデイジーに対応している録音図書再生機での読み上げも可能です。
- 本文テキストの文字の拡大や縮小、文字や背景の色が変更可能で、文字ハイライトと音声が同期しているため、ロービジョンの方や、学習障がいの方が集中して読むことができます。
マルチメディアデイジー図書
- テキストデイジーに音声を加えた図書です。
- 教科書や教材などとしても利用されています。
拡大図書
- 通常の本よりも、文字そのものが大きく印刷された本です。
- ロービジョン(弱視)の方などが読むことができます。
- 当館では所蔵していません。
ここから「図書の製作について」のご案内です。
図書の製作について
当館では、ボランティアの方々によって点字図書や録音図書、テキストデイジー図書を製作しています。
選書、点訳・音訳・テキスト化、校正、編集、全てボランティアの方が行っており、1冊の図書の製作に何人もの方が関わっています。
当館では、全国の目の見えない・見えにくい方などに喜んで利用していただけるよう、質の高い図書の製作を心がけています。
点字図書の製作について
【点訳①】原本をカットし、スキャナーで本をパソコンに取り込みます。
【点訳②】原本の地名・人名などの読みを調べ、点字の規則に従ってパソコンで点訳します。
【校正①】点訳データを印刷し、点訳者以外の人が正しく点訳できているか確認します。
【校正②】もう一度、別の人が、間違いがないかを確認します
【印刷】完成したデータをチェックし、点字プリンターで点字の打ち出しをして製本します。
【完成】1冊の本が完成するまでに、半年~1年かかります。
録音図書(デイジー図書)の製作について
【準備】人・場所・物の名前や共通アクセントを調べます。また、読む練習もします。
【録音】当館では、2人1組(音訳者とモニター)で、パソコンを使って録音を行います。
【校正】間違って読んでいないか、文意が間違って伝わってしまわないかを、別の人が確認します。
【デイジー編集】章や節で区切る、ページを付けるなどの編集をパソコンで行います。
【デイジー校正】1冊の本を通して、間違って読んでいるところはないか、編集が正しいかを別の人が確認します。
【完成】1冊の本が完成するまでに、半年~1年かかります。
テキストデイジー図書の製作について
【製作①】原本をカットし、スキャナーで本をパソコンに取り込みます。
【製作②】文字と画像を取り出し、うまく取り込めなかった文字を原本通りの文章にします。
【校正①】紙に印刷し、別の人が間違いがないか確認します。
【製作③】テキストデイジー製作ソフトに文字データと画像を取り込んで図書にします。
【校正②】別の人が間違いがないかチェックします。
【完成】1冊の本が完成するまでに、半年程度かかります。
ここから「「サピエ」のご紹介」のご案内です。
「サピエ」のご紹介
「サピエ」は目の見えない・見えにくい方などへ、点字やデイジーデータをはじめ、暮らしに密着した地域・生活情報などさまざまな情報を提供するネットワークです。
全国の見えない・見えにくい方などの個人会員や、視覚障害者情報提供施設(点字図書館)・公共図書館・ボランティア団体・大学図書館などの施設や団体が加盟しています。
「サピエ図書館」は、全国のサピエ会員施設・団体が製作・所蔵する図書を検索することができる、インターネット上の図書館です。
図書の検索のみでなく、点字データやデイジーデータをストリーミングまたはダウンロードすることができます。
「サピエ」
©全国視覚障害者情報提供施設協会
●個人会員の利用は無料です。
●視覚等に障がいがあり、普通字(活字)の本を読むことが困難な方以外の利用登録はできません。
●市内在住・在学・在勤の方で「サピエ」の利用を希望する方は、当館の利用登録が必要です。
●図書の検索など一部のサービスはどなたでもご覧いただけます。